施工検査はどんなことをする?【基礎配筋検査編】
配筋検査では、かぶり厚さのチェックも行います。
「かぶり厚さ」とは、鉄筋表面からコンクリート表面までの最短距離のことで、耐久性、耐火性、構造耐力が得られるよう「最小かぶり厚さ」が定められています(建築基準法施行令第79条)。
この「かぶり厚さ」が不足すると、鉄筋の錆びや火災から保護する耐力が低下してしまいます。
建築基準法施行令第79条で定められている「かぶり厚さ」
- 耐力壁以外の壁または床:2cm以上
- 耐力壁・柱・はり:3cm以上
- 直接土に接する壁・柱・床・はり・布基礎の立上り部分:4cm以上
- 基礎(捨コンクリートの部分を除く):6cm以上
鉄筋や型枠の組立ての際、施行誤差が生じても、この最小かぶり厚さが確保できるよう、通常1cm程度割増しを加えた数値(設計かぶり厚さ)で加工されるのが一般的です。
さらに、適切な「かぶり厚さ」を確保する為、バーサポートやスペーサーと呼ばれる鉄筋位置を保つ道具も使用されています。
定着と継手のチェック
「定着」とは、鉄筋コンクリート構造体の仕口(角度が変わる部分で、基礎底盤と立上り等)において、部材相互の一体化を図るため、一方の部材の鉄筋を他方の部材中に埋め込むことをいいます。
「継手」とは、コンクリート部材中で鉄筋を連続させるために接合する方法のことです。
それぞれの長さは、鉄筋の種類、コンクリートの設計基準強度等によって規定が設けられています。また、継手の方法、位置に関しても注意が必要です。
設備配管スリーブ
配管スリーブの補強筋も確認します。
木造戸建住宅の場合、鉄筋コンクリート工事は、通常基礎部分に限られます。建物の荷重を支え、地盤に伝える重要な箇所ですが、不具合の報告が多く寄せられる箇所でもあります。建物完成後に不具合が見つかっても容易に補修出来ない箇所であるだけに、建築途中でしっかりチェックすることが大切なのです。
参考 : 欠陥住宅や建築途中の手抜き工事を防ぐ 施工検査サービス
この記事も読まれています
参考:欠陥住宅を防ぐには「施工検査」が有効【コンクリート打設時の受入検査】
参考:コンクリート打設時に注意すべきポイント【欠陥住宅を防ぐために】