地盤調査は今や当然。不同沈下を防ぐために必要なこと
基礎形式の選定や土工事の施工方法を決めるため、地盤調査が行われます。
これは、建築基準法施行令第93条で規定されているもので、その方法が国土交通省告示で定められています。
一般の方には、あまり馴染みのない工程ですが、代表的なものをいくつかご紹介します。
スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)
スウェーデンで開発された地盤調査方法で、地盤にロッド付の抵抗体を挿入し、回転に対する抵抗力から、その地盤の硬軟や締まり具合等を調べる試験です。調査報告書には、このロッドを25cm貫入させるのに何回転(半回転を1回転でカウント)したかが記載されており、回転数が多いほど硬い地盤であることを示しています。逆に回転数が「0」の場合は、一定の荷重をかけた時点でロッドが沈む自沈層であることを示しています。戸建住宅の場合は、このスウェーデン式サウンディング試験が一般的です。
標準貫入試験とボーリング調査
標準貫入試験とは、63.5kg(±0.5kg)のハンマーを76cm(±1cm)の高さからロッドの頭部に自由落下させ、地盤を30cm貫入させるのに必要な打撃回数(50回を限度とする)を求め、この回数をN値として土の硬軟の程度を調べる試験です。また、ボーリング調査とは、掘削用機械によって地中に孔をあけ、地盤の構成を調べたり、地層各深さの土を採取し、地層と土の性質を調査します。マンション等の大型建物を計画する場合、これらを併用するケースが一般的です。
物理探査
地表において地中の地層の密度の相違、地下水の状態等を測定して、地層の分布状態等を推定しようとする試験です。
載荷試験
支持地盤に、重量物または加力機器により直接荷重を加え、その耐力、変形性状、破壊性状等を調査する試験です。
平面載荷試験
載荷試験の一種で、構造物を設置する地盤に載荷板を通じて荷重を加え、荷重と沈下の関係から地盤の支持力を求める試験です。
以上のように、地盤調査にもさまざまな種類がありますが、調査地の状況、予算等に応じて適切な方法が選択されています。設計者は、これらのデータから地盤の状態を読み取り、計画建物に適切な基礎の選定を行っているのです。
しかし、戸建住宅に関するトラブルで、地盤に起因するものが多いのも事実です。万が一に備え、地盤調査報告書は、お手元で保管されておくことをお勧めします。
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