建物調査の種類とメリットを解説
日本の住宅は築20年でほぼ価値ゼロ
日本の中古一戸建て住宅は悲しいことに築20年で価値がゼロと評価されています。
その背景には、
- 中古住宅は長持ちせず、あと何年住めるか分からない
- 住宅ローンがつきにくい
- 中古住宅より新築住宅の方が税制が優遇されている
本当に築20年を超えた建物には価値が無いのでしょうか?いえいえ、古くてもしっかりと建てられ、定期的にメンテナンスを行っていた建物は築20年を超えても低コストと雑に仕上げられた新築住宅よりよっぽど価値がある住宅は存在します。
専門家による調査で本当の価値を見極める
中古市場に売りに出される際に評価する基準がほぼ一定であり、専門家から見れば本来評価されるべきところが評価されていない掘り出し物住宅はたくさんあります。
住宅業界でも良質な住宅ストックの有効活用が注目を浴び、環境問題も影響して不必要な住宅産業廃棄物を出さない動きや、社会全体として住宅市場での資産価値を高めようという動きが出始めました。
中古住宅を売買する際に、今後重要視されるのが建物調査です。アスベストの使用の有無、耐震診断、シロアリ被害、欠陥工事の有無は購入者側のリスク回避だけではなく、瑕疵担保責任による売主側のリスク回避にもつながります。
建物調査の種類は大きく分けて3つ
現在第三者機関によって行われている建物調査の種類は大別すると3種類に分かれます。
①既存住宅性能表示制度
住宅品質確保促進法に定める基準に基づく建物調査で住宅の個別性能を等級や評価によって表示することを目的としています。
②特定な目的のための調査
- フラット35の住宅融資に適合しているかを確認するための調査
- 住宅保証のための適合性を確認するための調査
- 瑕疵保険に適合する建物かどうかを確認するための調査
③民間の調査会社が任意に行う建物調査
- 民間の調査会社が調査項目や調査方法をそれぞれ独自に定めて行う調査
- 瑕疵の有無や劣化状況、不具合等の状況を調査
- リフォームのための事前調査
建物調査を行う内容はぞれぞれ異なっていますが、建物調査の目的は住宅を安心して長く使うために行う健康診断のようなものです。
定期的な調査とメンテナンスが不可欠
定期的な建物調査で発見された不具合箇所を早期に修繕することにより、良質な住宅を維持することができます。また、その履歴を残しておけば売却の際にも購入者が安心して判断することができます。
単に築年数が古いからという理由だけで評価ゼロとなることを避けることができます。
建物調査は購入者側のリスクヘッジから売却側の資産価値向上の目的に利用され始めているのです。
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